ロンドン日記

祝砲41発:2018年6月11日ハイド・パークにて

もう遡ること2ヶ月になるところだが、6月11日にハイド・パークにあるバラ園に行ったら、歩道に小さな看板が立っていた。正午に祝砲ありと。長くロンドンに住んでいるが、実際に祝砲が撃たれるところを見たことはないので、どこだろうかとスマートフォンで調べていたら、軍楽隊の演奏が聞こえたのでその方へ歩くと、公園の芝の一角がロープで仕切られていた。地下鉄のハイド・パーク・コーナー駅にほど近い場所。

前日6月10日がエディンバラ公の97歳の誕生日で、そのための祝砲。ただし祝砲は日曜日には撃たない決まりなので翌11日月曜日に。発射数は計41発。女王の配偶者なので21発、そして王立公園で祝砲が放たれるときは20発加算されるという。担当するのは王立騎馬砲兵・国王中隊。儀仗を主な任務としていて、女性隊員が多いことで知られている。

砲手が位置についたようで12時数分前、まだ大砲の影形もなかったので、これからどうなるかと思っていると、遠くからドドッドドッと蹄の音が聞こえてきた。結構速い。みるみる立派な体格の馬が来た。6門の大砲がそれぞれ6頭の馬に曳かれてきた。あっという間に大砲が離された。砲手はさっと馬から飛び降り位置につき、馬はまた去っていった。

12時ほぼちょうどに1発目が発射され、10秒毎に FIRE! つまりは「撃て!」という命令があり、ドーンという轟音とともに6門が順に次々と火というか煙を噴いた。音も凄いが衝撃を体感した。一時は風の強さと向きが変わったため、濛々となった。

観客の歓声や子供の悲鳴も聞こえるし、スマートフォンのアプリケーションで録音したため、音質が良いとは言えないが、この音声ファイルで少しでも雰囲気が伝われば。開始から3秒・13秒・23秒・33秒に発射される。 ※音量注意!

7順目の第5門で41発が終了。そうするとまた馬がやってきた。大砲が砲車に括り付けられ、速やかに去っていった。鮮やかだった。

馬が去ったあと、軍楽隊が演奏しながら行進していった。ハーメルンの笛吹き男ではないが、見物人の多くが後に付いていった。

祝砲・礼砲・弔砲は王室の冠婚葬祭・慶事・弔事や国家行事や国賓の訪問時などに行われる。ロンドンではハイド・パークの他にグリーン・パークやロンドン塔で空砲が撃たれることもある。いつあるかは gun salutes で検索すると良いだろう。