ロンドン日記

公園の鳥

輿論あるが犬は幼児並の知能を有するらしい。道理で公園で鳩を追い回すのは、小さな子どもと犬。時には連れ立って。

変哲もないつまらない話になるが、2日前の買い物帰りのキング・ジョージズ・パークの池の周りには、白鳥や鴨の親子や数多くの鳩の姿があった。白鳥は忙しく羽繕いをしては首を擡げていた。一羽だけ。この前まで⋯⋯と言ってもいつのことだかはっきりとは覚えてないが、番いでいたのにどうしたのだろう。何やら羽繕いの姿が寂しく見えたのは気のせいだろうか。池の淵、柳の葉に隠れるようにいる子鴨は結構大きくなっているが、まだ羽に換わってはおらず、未だにもこもこしていた。鳩という鳥はなんとなく好きになれない。パンくずさえくれない人間が何を言っているのか⋯⋯私が鳩だったら腹の中で罵るかもしれない。剽軽と言えば剽軽、滑稽と言えば滑稽、頭を前後に振りつつ歩く姿は良いのだが、なにか面相の悪い鳩が多いうえに目を見開いて無表情なのが、不気味というのか気に入らないというのか苦手。そして心ない人間というはどこにもいるもので、ゴミが散乱していた。柵の中に入ったのではなくて、投げ入れたのだろう。

買い物袋片手に上記のことをぼんやりと考えていたら、近くの歩道では小さな女の子が集まっていた鳩に向かって走ってきた。小型犬と一緒に。