ロンドン日記

守備範囲の広いスーパー

今日こそ気温があまり上がらず、午後に雨が降る予報だが、ここ数日、ロンドンは快晴微風で最高気温が20℃を越え、2月とは到底思えない春真っ盛りの天気だった。異常気象で心配であるが、長らく灰色の世界たる英国の冬の住人にとっては心地よいもので、必要な外出も楽しく思えた。

もし時間に制約がなければ、移動の際にバスに乗っている。そして、時間にかなり余裕があれば、やや遠回りして、あまり乗らない路線を利用する。2階建てバスの上階の最前列に座って、知らないロンドンの地区を通り、珍しい建物や商店や飲食店を発見することが楽しい。いかにロンドンという都市が大きく、多様性に富んでいるか、改めて痛感する。

写真にあるのは、一昨日、ワンズワースからハイストリート・ケンジントンまで28番に乗っていたときに見つけたスーパー。店名は AL-GHAZALEEN とある。看板中央上部にある写真からして、恐らくガゼルという意味だろう。英語辞典(en.oxforddictionaries.com/definition/gazelle)で調べると、英単語 gazelle の語源はアラビア語の ghazāl という。恐らくスペイン語、そしてフランス語を通して英語に伝播したらしい。

下にある拡大した写真でも小さくて読みづらいかもしれないが、看板によれば取り扱っているのは Arabic, Iranian, Continental Quality Foods らしい。アラビアとイランだけでも広大な地域なのに continental まであるという。この場合の大陸はどの大陸だろう。一般的に英国で「大陸」はヨーロッパ大陸を指すので、恐らくそうだろう。かなり守備範囲が広い。

このスーパーはどうか、店内まで見えなかったが、中東系スーパーは果物の品質が良いところが多い。独自の仕入れルートがあるのか、青果市場での目利きが良いのか、石榴などが非常に立派で外れがない。そして英国の代表的チェーンのスーパーに比べると安価。他にもバクラヴァが置いてあったり、香辛料を売っていたりする。

今度ゆっくりこのスーパーのあたりを散歩してみようか。そしてスマックでも買ってみようか。