花を愛でるような風流を識る者でなく、花粉症に苛まされる野暮な人間だが、春の到来は鈍感な私にとっても嬉しいもの。昼を過ぎて今日は結構強い雨が降っているが、昨日まで数日ほどは最高気温が20℃を越えていた。その陽気に惹かれて、一昨日、ちょっとロンドンの中心部をぶらぶら散歩したら、非常に心地よかったが、同時になにかおかしかった。
ロンドンでは大体花が咲く順序がある。まずクロッカスが咲き、水仙が続く。ハイド・パークからグリーン・パークを通ってセント・ジェームズ・パークを歩いたのだが、クロッカスと水仙が同時に咲き、更にシデコブシも開花していた。
鮮やかな花と空の色があって心が躍ったが、これも地球温暖化の表れなのかもしれないと思うと素直には喜べない。来月には英国の欧州連合離脱が控えている。もし合意なき離脱となれば⋯⋯そんなことを考えていたら、なぜだかこれらの綺麗な花も徒花に見えてしまった。