ロンドン日記

夜長と黄葉の秋

11月に入ってロンドンでは寒い夜が続くようになった。10月31日に冬時間に移行して日没は午後4時半前。これから冬至までどんどん夜が長くなる。そのうち朝起きても未だ暗く、仕事や作業を終えたら既に暗くなっている。気を付けないと睡眠パターンが乱れる。毎年のことで慣れているはずだが、やや気が滅入るもの。ちなみに緯度でロンドンは稚内より6度以上北に位置する。

昨日と一昨日はガイ・フォークス・ナイトとディーワーリーであちらこちらで花火が打ち上げられた。ドンドンドンやバンバンバンやパーンパーンという音が響いていた。条例で花火が禁止されているはずの近くの共有地でも何人か集まって、騒ぎながら次々と打ち上げていたようだ。英国ではディーワーリーとガイ・フォークス・ナイトが重なるこの時期と新年が花火の季節。花火は暗い夜空に揚がるのが綺麗なので、日の長い夏より夜の長い秋や冬の方が合っている。しかし寒い夜に厚着をしてまでも見たいとは思わない。花火の音がうるさかったが、何が起こっているか理解できる人間はまだ良い。どこからか聞こえてきた怯えた犬の吠え声が可哀想だった。今晩と明晩も喧しくなるだろうか。

もはや冬の様相を呈しているようにも感じられるが、散歩をすると葉が色付いていたり落ちていたり、未だに秋であることを実感する。昨日は朝から晴れていて、気温が低くても散歩日和。久しぶりにカメラを持ってウィンブルドン・コモンへ。ロンドンで鮮やかな紅葉は稀で、黄葉する木があるが、大体の葉は枯れて茶色と化して落ちる。冬になれば裸木となり地面は固くなる。