昨日英中銀が政策金利を0.25%引き上げて4.25%にした。11回連続の利上げ。英国では高インフレが続いている。現在10%台で、落ち着くにはまだ時間が掛かりそうだ。
ここ1年ほど、そして特にここ数ヶ月、買い物に行くたびに何かの商品が値上がりしている。少なくともそのような感覚を覚える。どの商品がいつどの店やスーパーで値上がりしたのか、現在の適正価格というか相場がいくらなのか、全くと言ってよいほど分からなくなっている。もちろんその場その場でスマートフォンを使って、同じ商品の値段を比較することもできるだろうが、買う全ての物を比べる時間はないし、安い所では売り切れているかもしれない。
数日前、そろそろコーヒーを切らしそうになったので、買わなければ⋯⋯と思い、どこで買えば安いかと調べはじめた。ただ安いだけではひどい目に遭う。もうすぐなくなるコーヒーは、227グラム2袋で£4(結構変動しているが執筆時の為替レートで£1は約158.3円なのでおよそ633円)と廉価だったが、飲むたびに胃の粘膜が剥ぎ取られるような苦さ。買ったからには使い切るという吝嗇と執念で飲みつづけている。
去年の今頃だったら、1袋227ないし250グラムのコーヒーを£2.50を上限として買っていた。最高級品でなくても、有名ブランドやスーパーの高級PB商品を特売でその予算内で買うことができたが、今では同じ商品が£4以上、時には£5ポンドを超えている。特売になっても£4を下回るかどうか。£3台前半になることはまずない。コーヒーは毎朝一杯だけ飲んでいるが、欠かせない習慣。飲まないと一日が始まらない。不味いコーヒーより美味いコーヒーを飲んだほうが、心が豊かに朗らかになる。
何かを買う時、迷ったら困ったら、まずは Amazon だ。ただ優柔不断なので、品揃えが豊富で選択肢が多すぎると、迷って時間を浪費する悪い癖がある。そしていくら以前と比べて高くなったと感じても、絶対値で見れば数十ペンスから数ポンドの差。時は金なり。ぐだぐだしても仕方がないので、美味そうであまり高くなければ買うと決めていた。
目に入ったのが Lavazza の Qualità Oro というコーヒー。250グラム6袋で£21。つまり1袋あたり£3.50。好みのブランド。去年だったら「高すぎ」と一蹴して買わなかっただろうが、一瞬躊躇った後、今後通常販売価格が高くなることはあっても安くなることはないだろうし、スーパーで特売になっても£3.50を下回ることはないだろう⋯⋯と考えを巡らせ、購入ボタンを押した。大散財をしたような気分も僅かながらあった。
早速今日届いた。これだけあれば数ヶ月はコーヒーを買わなくても大丈夫なはず。しかし次に買う時はどれだけ値上がりしているだろうか。それともインフレが落ち着いているだろうか。
《蛇足》英国の製造者によるコーヒーは1袋227グラム、英国以外のヨーロッパの会社だと250グラムが一般的。250グラムは1㎏の4分の1と分かりやすいのに、227グラムは中途半端に見えるかもしれない。しかしこれは質量の単位の1ポンドが約454グラムなので、227グラムは半ポンドということ。