ロンドン日記

鯛1尾£2.62

英国の高級スーパー Waitrose には鮮魚や精肉カウンターがある店舗が多い。安くなっている魚や肉がちょくちょくあるので、毎回覗くようにしている。ちょうど一週間前の土曜日に買い物に行ったところ、鯛 (sea bream) と鱸 (sea bass) が値引かれていた。元々の値段は鯛も鱸も1尾£4.60だったが、鯛は£2.62、鱸は£2.69になっていた。ようやく英国のインフレは収まってきたようだが、もう何が高くて何が安いのか、さっぱり分からなくなっている。なぜ鯛と鱸で7ペンスの差があるのか不思議だったが、一銭を笑う者は一銭に泣く、鯛を買った。最近£1は約180円なので、およそ472円。トルコ産・養殖。

尾頭付きだが、鱗と内蔵は取られていて、下処理はされているので、ただ塩を振掛け焼くだけ。料理があまり得意ではないので、非常にありがたい。

鯛は小さくても何やら立派に見える。たとえ腐っても小さくても鯛は鯛。何やら祝い事があったわけではない。ただ遡ること数日、水曜日の午後にここ数年で一番ひどい偏頭痛に見舞われた。できるだけ部屋を暗くして安静に⋯⋯飲まず食わず用を足さず、起きているのか寝ているのか、ちょっと朦朧としていたら21時間過ぎていた。偏頭痛になると食欲が完全に失くなるので「食わず」は分かるとしても「飲まず用を足さず」というのに自分でも驚いた。偏頭痛は年に数回あるかどうかで、ここ数ヶ月はなかったので、より悪い症状だと感じたのかもしれないが、回復するまで数日かかったのは初めて。鯛を焼いた時点で本復とは言えなかったが、めでたいというか魚を焼くくらいのことはできると安堵していた。