ロンドン日記

マスタードと山葵大根

どんな食材も高級品の方が味がより豊かでより深いことが多い。調味料や薬味というのは、少量でも料理の味に幅と豊かさと深さを与えるもの、いや与えるべきもの。もし大量に使わなければならないとしたら、あまり良いものではないような⋯⋯。

近くの格安スーパー Lidl によく買い物に行く。多くの食料品の値段が他のスーパーと比べて感覚的に1割5分ほど安いのに品質が劣らず大変満足しているが、最近買ったマスタードと山葵大根は例外で残念だった。特に horseradish と英語で呼ばれる山葵大根は、結構な量を使っても鼻にツーンとくる辛味や風味に乏しかった。肉料理に良いマスタードと山葵大根を和えて添えると、少量でも辛味と風味で脂のしつこさを抑えつつも肉の味を引き出すのだが、今回の Lidl の商品は大量に使ってようやくそれらしきものになった。でも大量に使うと食感が悪くなるし、食材のバランスが崩れてしまう。

安物買いの銭失いというか、安物買いの味失い。次は安さよりも美味さで選ぼう。