日本では小林多喜二の『蟹工船』がよく売れているという。似たようにドイツではマルクスがブームとなっており、『資本論』の売れ行きが良いらしい。そうとはいっても通常200部に比べ今年はこれまで1500部販売したという出版社の話だから「爆発的」ではない。日本の『蟹工船』ブームと同様に『資本論』は若い世代に人気があるという。
ドイツは米英型市場万能主義に対しどちらかといえばこれまで懐疑的だったが、今後の経済状況を踏まえると地域と世代により市場主義・資本主義の恩恵をいかに多くの人と分かち合う社会民主主義な考え方から、それらを否定する左右両極端に傾く可能性がある。その可能性は決して高いとは思わないが、もしそうなったらドイツの場合、移民排斥運動などの極端な右傾化よりも政治政策全体が徐々に左傾化すると思う。