王位継承順位と英連邦

現在英国メディアの関心事はキャサリン妃が出産のために入院したことで、テレビにしろ新聞のサイトにしろ、まさに秒毎に騒々しく憶測が報道されている。

さて、生まれてくる子は性別に関係なく、王位継承順位第3位になるはずなのだが、英国王を国家元首とする英連邦の国々で、王位継承に関する法律あるいは憲法の改正が一筋縄ではない、という記事がガーディアン紙に掲載されていた。例としてオーストラリアとカナダが挙げられている。もしケンブリッジ公爵夫妻の第一子が女の子で第二子が男の子で王位を継承するという場合だと、法改正がすでに行われた連合王国では第一子が女王となるが、法あるいは憲法改正がなければカナダだと弟が国家元首となるという事態がありうるという。

この国々で男子優位が良いと意見が強いわけではなく、オーストラリアとカナダ各国内の連邦と州の力関係や憲法という問題。国家元首という政体の根本に関わるため、誰がどのように王位継承を改める権限を有するか、議論されている。オーストラリアの場合はそれぞれの州議会が法改正を連邦議会に働きかけるという形で収まりそうだが、カナダの場合は共和主義が根強いケベック州もあり、カナダの憲法問題として法廷で争われる可能性があるらしい。

あくまでも可能性としての話であり、実際に大問題に発展して、連合王国とオーストラリアとカナダで国家元首が異なるということはないだろう。それよりも、英国王を国家元首とする政体から、共和制への移行の方が現実的ではないだろうか。

生まれてくる子は、男の子だろうか、女の子だろうか。