2010年英国総選挙 | 第3回目のテレビ党首討論

2010年4月29日

経済政策と移民政策が主な争点となった第3回目で最後のテレビ党首討論が行われた。放送終了直後の世論調査では保守党キャメロン党首が1位、自由民主党のクレッグ党首が2位、そして労働党で現首相のブラウン氏が3位という結果。これで、明日の保守党系の新聞の見出しは「キャメロン氏勝利」となるだろうか。有権者がキャメロン氏の勝利と判断するか、それともブラウン氏の負けとみなすか、これから数日いろいろと分析されるだろう。

ブラウン首相は保守党攻撃に徹した。その姿はまるで野党が現政権を批判しているようにも思えた。ブラウン氏は、党首が若返っても一皮剥けば保守党は旧体質のままであり、財政再建のために歳出を圧縮し、それは経済に悪影響を及ぼすと繰り返し主張した。この時期に保守党の公約にある裕福層のみ利する相続税の控除額を引き上げる政策を引き合いにしてキャメロン氏を批判した。キャメロン氏はブラウン氏をあまり相手にせず、単一通貨ユーロ加盟や移民政策ではユーロ加盟に肯定的で違法移民の合法化も視野にいれるクレッグ氏を追及した。前回に比べるとかなり鋭いやり取りが続き、政策の違いがやや明らかになった。

どれだけの有権者が投票先を切り替えたか、不透明。しかし、保守党のキャメロン党首が「勝った」となり、今日さらに票を得たとすれば、過半数に至る可能性も見えたかもしれない。投票日まで残り1週間、どれだけ紆余曲折があるだろうか。