定数650議席中、選挙結果が発表された649選挙区の数値をもとにすると、今回の英国総選挙の結果は以下のようになる。詳しい数値は BBC NEWS | Election 2010 | Results | United Kingdom | National Results を参照。
まず結局一番大事な獲得議席数は保守党(青)306、労働党(赤)258、自由民主党(黄)57、その他(灰)28。
今回の投票率は65.1%で各党の得票率は保守党36.1%、労働党29.0%、自由民主党23.0%、その他11.9%。
もし選挙制度が得票率と直結する比例代表制だったら、四捨五入して、定数を無視して、多くの政党に分かれている票をまるで一党のように取り扱えば、保守党235、労働党189、自由民主党150、その他77となる。
しかし、英国は単純小選挙区制。死票の多い制度で、議席数と投票率に大きな差がでる。以下のグラフは3政党別の総得票数/当選議員数。あくまで比較として、1議員を選出するのに政党が必要とした票数。保守党は1070万6647票/306議員で約3万5000、労働党は860万4358票/258議席で約3万3500、自由民主党は682万7398票/57で約11万9800。
全国的に支持率が一定している自由民主党は多くの選挙区で2位になったり、僅差で敗れたりして、死票が多い。一方、地盤を持ち支持者が集中していて強いところは頗る強く、弱い選挙区では滅法弱い、保守党と労働党という2大政党には有利な制度となっている。
今回の選挙では、保守党の単独政権とはならず、自由民主党の動向が注目されている。自由民主党は、比例代表制を組み込んだ選挙制度の改革を連立参加の際には強く要求するだろう。保守党は単純小選挙区制度維持を明らかにしていたが、安定した政権樹立のために、譲歩するだろうか。一方、労働党は既に選挙制度改革を公約としている。これから数日各党間の駆引きが続く。