バンクーバー五輪 | カーリング女子:雑感

最終更新 | 2010年2月27日 | 02:08(時間は英国時間)

2月19日:各チームとも3回試合に臨んで、3戦3勝は前回金メダルを獲得したスウェーデンと地元の大きな期待を背負ったカナダ。2勝1敗はドイツ、中国と英国・スコットランド。1勝2敗は日本、ロシアとデンマーク。まだ勝ち星ないのが米国とスイス。スイスが3戦3敗という結果には少々驚いたがこれまでの対戦相手がカナダ、スウェーデンと中国だったのが理由だろうか。

ヨーロッパでは www.eurovisionsports.tv/olympics/ というサイトで多くの競技の模様が中継されているのだが、現地時間2月18日のカーリングは放映されていなかったので、観戦できなかった。

現地時間9時スタートには日本出場せず。2勝1敗同士のドイツ対英国、1勝2敗のロシアと3戦全敗の米国、そして中国対デンマークの試合が行われる。日本は19時開始で英国と対決する。英国時間だと午前3時になるのでとても観ることはできないだろう。

2月20日:日本が英国に11−4という得点差で大勝したのは嬉しくも驚いた。特に第9エンドの5得点に注目したい。録画した番組にその模様があるか確認しなければ。スイスようやく1勝、スウェーデンとカナダは4戦全勝なのでよほどの番狂わせがないかぎり決勝トーナメントに進出するだろうから、残る2枠を巡っての攻防が続く。

現地時間14時に始まる今日に試合には日本登場せず。気になるのは、現在3勝2敗の英国と中国だろうか。英国は1勝3敗の米国、中国は日本と同じく2勝2敗のドイツと試合。

日本対英国 Shot by shot (pdf) 第9エンドの模様は英 BBC で紹介されていて、スキップの目黒選手の2投目のダブル・テイクアウトは本当に素晴らしかった。図を見ればわかるが、誤差が少しでもあれば、ガードに当たったり、ハウス内に2個あった英国のストーンを押し上げる危険性があった。解説者で2002年金メダルを獲得した英国チームのスキップ Rhona Martin 氏も感嘆することしきりだった。この試合での目黒選手のショット成功率は高く、第4エンドで3得点の際のダブル・テイクアウトも勝負強さを物語っている。

2月21日:ロシアがスウェーデンに10−1で勝ったのは意外。ロシアのサードとスキップのショット成功率が89%と95%と高く、スウェーデンのサード(ショット成功率63%)とスキップ(58%)の不調が理由だろうか。その他の3試合(英国対米国・デンマーク対スイス・ドイツ対中国)は接戦で、英国対米国とドイツ対中国の2試合は延長戦になり、デンマーク対スイスは第10エンドの最後のショットによって決まった。デンマーク・スキップ Madeleine Dupont 選手のドローは強過ぎ、スイスのストーンの方がハウス中心だった。英国のスキップ Eve Muirhead 選手は第10エンドと延長の第11エンドで後攻だったのに、最後のショットが決まらず、リードを守りきれなかった。

現地時間2月21日、日本は1日にロシアとドイツを相手に2試合を行う。現在4勝はカナダ、スウェーデンと中国の3カ国、3勝は英国の1チームのみなので、両試合に勝つことができれば、準決勝への道も見えてくるかもしれない。

日本・ロシア戦は第5エンドを終えて、ロシアが6−0と大きくリード。前の試合でスウェーデンに勝って、良い調子になっているのかもしれない。日本としては是非勝ちたい試合なので、後半盛り返すことができるだろうか。しかし6点差をひっくり返すのはかなり難しい。インターネットで観戦できるのは英国対スイスとデンマーク対ドイツで、英国対スイスを一部を観ている。日本と米国に連敗した英国は第5エンドを終えてスイスに8−2と大きく差を付けられている。英国のスキップ Muirhead 選手は何となく自信を失ったようにも見える。一方のスイスは最初の3試合全て負けたが、ようやく2回連続銀メダルらしく、勝負強さを発揮していて、スイス・スキップの Mirjam Ott 選手のショットの正確さは特筆に値する。

カナダやはり強し。米国を9−2で破る。日本は第6・7エンドで3点ずつ返し、6−6の同点とする。これは素晴らしい。後で図を見なければ。

英国はスイスに6−10で負けて、4敗目。一方スイスは3連敗のあと3連勝で準決勝進出を窺う勢い。デンマークはドイツとの接戦を制した。

日本対ロシアは第8エンドにロシアが2点、第9エンドに日本が3点そして第10エンドにロシアが1得点で、9−9の同点のまま延長戦となり、第11エンドに日本が3点追加、12−9で勝利。一時は0−6で巻き返すことができるか疑問だったので脱帽。

日本のこれからの対戦相手はドイツ、スイス、スウェーデン、デンマークの順。このうち3勝すれば、少なくともタイブレークになるが、2勝だと他の結果による。スイスとの対戦が鍵となりそう。

2月22日:日本はドイツに敗れ3勝3敗でスイスと並ぶ。まだスイスとの直接対決とスウェーデンを残しているので、準決勝への道が少々険しくなった。カナダは中国に負け、スウェーデンはアメリカに快勝。カナダ、スウェーデンと中国はすでに5勝でおそらく1〜3位になるから、4位を巡って3勝3敗の日本とスイス、3勝4敗の英国とドイツが争う展開となりそう。まだスウェーデン戦が残っていることがあり、日本はやや不利かもしれない。スイスのこれからの対戦相手は日本の他にドイツと米国。ともかく自力でタイブレーク(5勝4敗)あるいは準決勝進出を決めるには、今日の試合でスイスに勝ち、なおスウェーデンかデンマークに勝つことが求められる。もし3戦3勝となれば自力での準決勝進出となる。

2月23日:日本はスイスに敗れたが、他の試合結果もなかなか興味深い。5勝1敗対戦は6−2でカナダがスウェーデンに勝ち、準決勝進出が決まった。5勝2敗の中国はロシアに負け足踏み3敗目。英国はデンマークに負け5敗目。

いくつかのシナリオがある。例えば5勝4敗が並ぶケース。日本(3勝4敗)がスウェーデン(5勝2敗)とデンマーク(3勝5敗)に勝ち、中国(5勝3敗)が米国に負け、ドイツ(3勝4敗)がスイス(4勝3敗)とスウェーデンに勝ち、スイスが米国に勝てば、日本、スウェーデン、中国、スイスとドイツが5勝4敗で並ぶ。もっとあり得ないケースとしてカナダ、スウェーデンと中国以外の7国が4勝5敗となるシナリオ。日本がスウェーデンに勝ち、デンマークに負け、米国が中国とスイスに勝ち、ドイツがスイスに勝ってスウェーデンに負け、英国とロシアがカナダに勝つということ。

スイス・ドイツ戦でスイスが勝ち、日本がスウェーデンに負けた時点で準決勝進出はカナダ、スウェーデン、中国とスイスとなる。さて、どうなるだろうか。日本には前回金メダリストのスウェーデンを相手に良いカーリングで勝負してほしい。

おさらいすると、日本が2勝することができ、午前9時開始の試合で中国かスイスが負ければ、タイブレークに持ち込める。日本が1勝だと数学的には上記の様にタイブレークに残ることは可能だが、かなり無理がある。

残念ながらインターネットで中継されているのはスイス・ドイツ戦のみなので、日本対スウェーデンの試合はウェブサイトで経過を確認することになる。

第1エンド:日本0−2スウェーデン

第2エンド:日本1−2スウェーデン

第3エンド:日本1−5スウェーデン 今日のセカンドは山浦麻葉選手。しかしショット成功率が現在38%。この時点で4点差は厳しい。第4エンド後攻で数点返せるだろうか。

第4エンド:日本2−5スウェーデン 後攻で点差があるので、複数点欲しいところだったが1点どまり。テレビで観戦できないので、ただ点数だけが分かるのはちょっともどかしい。日本選手のショット成功率は持ち直してきている。

第5エンド:日本2−6スウェーデン

第6エンド:日本5−6スウェーデン 3点返し、1点差に詰める。

第7エンド:日本5−8スウェーデン 3点差に広がる。

第8エンド:日本6−8スウェーデン 日本1得点。残り2エンド、そしてスウェーデン後攻なので、依然厳しい試合。

第9エンド:日本6−10スウェーデン 絶体絶命。後攻だが4得点は至難の業。

ギブ・アップ。日本3勝5敗。スイスがドイツに勝ち、カナダ、スウェーデン、中国とスイスが準決勝進出。

力及ばず準決勝進出を逃したが、デンマーク戦で有終の美を飾って欲しい。

2月24日:最終戦のデンマークに敗れ、3勝6敗の4カ国でタイブレークを行った結果、日本は8位。

勝負は時の運とも言われるが、1次ラウンドの結果はほぼ世界ランキングと同じ。上位4カ国とそれ以下の数カ国には差があるようだが、それでも最終日まで順位が流動的だったので、実力は男子に比べると伯仲していることを示しているよう。

バンクーバー五輪公式サイト

www.vancouver2010.com: Women’s Curling | Schedule and Results

JCA 日本カーリング協会

www.curling.or.jp

World Curling Federation

www.worldcurling.org