W杯2010年南アフリカ大会

ワールド・カップ観戦日記 | 12 | ニュージーランド・スロヴァキア & コートジボワール・ポルトガル & ブラジル・北朝鮮

2010年6月15日

ニュージーランド 1:1 スロヴァキア

驚きの日だったと言えるだろうか。まずニュージーランドとスロヴァキアが引き分け。ロスタイムの最後の最後にニュージーランドが劇的な同点ゴール。スロヴァキアは好機をもっと得点にできなかったのが響いた。全てを観たわけではないが、お互いに攻め合い、守備のミスもあって、かなりはらはらする試合内容だったようだ。これはイタリアとパラグアイ有利となるか。

点が入っても面白くない試合があれば、ゴールなしの引き分けでも面白い試合がある。コートジボワール対ポルトガルは0:0だったが観ていて面白かった。コートジボワールはこの「死の組」にあるが、守備は良かったし、ドログバ選手なしでも攻撃にリズムがあった。ミッドフィールドでもポルトガルと球を奪い合い、アフリカ大陸の代表ではガーナ以上で一番の安定感がある。ポルトガルも中盤でパスを繋ぎ、連繋プレーが良かった。両チームともちょっと決定力不足に悩んだようにも見えたが、充分な得点力があった。全て順当であれば、ブラジルにコートジボワールかポルトガルというところだろうが、両チームに16強に進んで欲しいと思った。

ブラジルが結局勝ったが、政治や思想はともかく、北朝鮮はときとして素晴らしいプレーを披露した。前半はさっと見たところ北朝鮮の布陣は5−2−3。守備重視だったが、いざ球を得れば両翼を使い、果敢にブラジル・ハーフに攻め込んだ。ブラジルは長い間ボールを支配しつつもなかなか流れを掴むことができず、遠くからロング・シュートを放つなどやや精彩に欠けていた。均衡が破れたのは後半で、ブラジル・マイコン選手の素晴らしいゴールだった。あの角度からキーパーとポールの間を衝いてゴールに入れるのはやはりブラジルならでは。2点目は今日よく働いたロビーニョ選手の絶妙のパスにエラーノ選手が合わせた。これでブラジルは余裕のペースになるかと思えたが、北朝鮮は反撃。ロング・パスから連繋で落ち着いてチ・ヨンナム選手がシュート、得点。

最初の試合だけでチームの良し悪しの判断はできないが、コートジボワールとポルトガルはこの試合を観て、ブラジル相手に勝機ありと思っただろうし、北朝鮮に対しては充分に警戒して堅守を崩す方法を見出すことが課題となるだろう。ブラジルにはまだチームとしての連繋と一体感に何かしら欠けているように見えたが、徐々に良くなるだろうか。

真の「死の組」はD組かG組かそれぞれ意見があるだろうが、これまでの試合を観たかぎり、G組こそ「死の組」だと思う。