フランス 0:2 メキシコ
ナイジェリア 1:2 ギリシャ
ブループ最初の試合は得点なしの引き分けに終わったフランスと開幕試合で開催国南アフリカと1:1で引き分けたメキシコ。両代表ともウルグアイの勝利を考えれば是非とも勝ちたい試合だったはずで、積極的に攻め合う試合展開になった。特にメキシコは3人をかなり前に配置した攻撃的な陣容。攻撃のみならず、メキシコは守備も固かった。フランスはこの試合を通して、相手のゴール近くでシュートの機会を得ることは少なく、FK を起点としてゴールを狙う場面が多かった。
フランス対メキシコ後半はますますメキシコのペースとなった。ほぼ毎回ヘッダーで球の奪い合いとなった場合、メキシコの選手がフランス選手に勝り、すぐさま攻撃に移った。そのため、メキシコにとってキーパーからの球やロング・パスが有効な攻撃方法。そしてフランスの守備陣はメキシコに攻め込める余地を与えた。メキシコ先制点はフランスの危うい守備方法を衝いたものだった。ラインを上げるなら細心の注意を払うべきだが、パスに合わせるように中盤から Hernández 選手が走りぎりぎりオン・サイドで球を受け、Lloris 選手を躱し、落ち着いて、ゴール。これでフランス奮起なるかと言えばそうでもなく、メキシコが再三攻撃。Barrera 選手がフランス主将 Evra 選手を走り抜き、一気にボックス内に入ったが、Abidal 選手がファウルでペナルティーという判定。今年37歳の Blanco 選手が落ち着いて決めて2点。
フランスには全く覇気が感じられなかった。しかし、まだ16強進出に一縷の望みはある。グループ最終戦で、ウルグアイかメキシコが勝ち、フランスが南アフリカに大勝すれば、勝ち点4のチームが並び、得失点差で2位が決まるからだ。
ナイジェリア・ギリシャ戦は面白いと言えば面白い試合だった。ギリシャは前の韓国戦同様に全くと言って良いほどリズムが無く、守備もぎこちなく、ナイジェリアがやや有利だった。実際、ナイジェリアが FK から得点。この時点ではギリシャの反撃に力がなかった。それが一挙に変わったのが、ナイジェリアの Kaita 選手が判定に不服だったのか、相手選手を蹴るという呆れるとともに全く理解しえない暴挙で退場処分になったとき。その後10人のナイジェリアと11人のギリシャでなかなかペースの速い試合となった。ギリシャが前半終了間際に1点を返し、後半にも追加点を決めて、2:1で勝利。ナイジェリアにもギリシャにも他に絶好のチャンスがあったので、どちらが勝ってもおかしくなかった。
このグループではアルゼンチンとナイジェリアが16強進出と予想(ワールド・カップ観戦日記 | 15 | 16強は?)したのだが、どうやら外れそうだ。アルゼンチンは勝ち点6で少なくとも2位、韓国とギリシャが勝ち点3ずつで得失点差も−1。もしアルゼンチンがギリシャに勝ち、ナイジェリアが韓国に勝てばまだナイジェリアに可能性はなくはないが、韓国有利だと見て良いだろう。韓国はアルゼンチンに3点差で負けたのが悔やまれる。