W杯2010年南アフリカ大会

ワールド・カップ観戦日記 | 34 | 選手の乱

2010年6月21日

よく観るほうだが、サッカーは結局はスポーツ。私は観戦者でしかなく、面白い試合があればそれで良い。でもピッチ外のこともよく話題となる。ワールド・カップになると、サッカー協会といった組織や監督の采配など細部まで分析される。サッカー協会は適任者を監督に任じたか、監督の代表選出は正しかったのか、選手の配置や作戦や戦術は試合に適しているかなどなど。協会・監督・選手の間の意思疎通が図られれば良いが、不協和音が聞こえ始めると厄介。

フランス代表は Anelka 選手が Domenech 監督に暴言を吐いて追放処分になっとことを不服として、練習を拒否。その選手団の抗議に対し現地入りしていた協会幹部はとても容認できないとして職場放棄辞任。内部崩壊の様相を呈している。監督はフランスにとってこの大会が終わった時点で辞めるので、もう選手から信頼も尊敬もされていないらしいし、代表は協会に対してもどうやら多くの不満があるよう。この「危機」はフランスのテレビ・ニュースのトップを飾っていて、Les Bleus en grève という字幕になっていた。「スト」というのがいかにもフランスらしい? しかしこれが爆発的エネルギーで試合に表れるということは⋯⋯ないだろう。

フランスで起きていることは対岸の火事と思っていたイングランド人がいたかもしれないが、どうやらイングランド陣営内でも Capello 監督と元主将 Terry 選手など主要選手の一部の間の溝がさらに深まっているという。まだフランスのような誰にでも見える内戦状態ではないし、メディアの報道にはいろいろと臆測の域のことが書かれているだろうが、一致団結、チームとしてスロヴェニア相手の最終戦を迎えることができるか、ちょっと微妙かもしれない。

追加:どうやらイングランドの「Terry の乱」は失敗に終わったよう。Capello 監督、鎮圧に成功。

どのように個人の力を引き出して集団として最善の結果を得るのか、どのような組織でも管理職は大変?