アルゼンチン 0:4 ドイツ
どのような試合になるか楽しみで、期待を裏切らず、開始早々ゴールが決まった。3分、ドイツ、左からの FK。Schweinsteiger 選手が蹴った球に Müller 選手が頭で合わせてゴール。セット・プレーから失点するのは、アルゼンチンとしては出鼻を挫かれたようなもの。精彩を欠いたアルゼンチンは前半ほぼ一方的にドイツに攻められる展開。ドイツはミッドフィールドを掌握。24分には、右から Müller 選手からパスを受けたゴール正面にいた Klose 選手に絶好の機会。しかしシュートはゴール上に外れしまった。
後半序盤、アルゼンチンは攻めたが、ドイツの守備にも阻まれて得点の機会はあまりなかった。ドイツは守るのではなく、カウンターから攻めて勝ちにいった。後半の3点はすべてオープン・プレーから。そしてチームとして得点した。2点目はボールを何とか保ち続けた Müller 選手が Podolski 選手にパスで繋げて、Podolski 選手が中央の Klose 選手にクロス。Klose 選手が押し込んだ。3点目は Schweinsteiger 選手が右側で守備陣を抜けて、中央に球を向け、Friedrich 選手が合わせてゴール。4点目は Özil 選手が絶妙なパスでアルゼンチン守備選手の頭を超えるパスに Klose 選手が合わせた。
前半のドイツは素晴らしかったが、後半のドイツには感動を覚えた。若い選手が中心で Ballack 選手を欠いたドイツは優勝候補とは目されていなかったが、このような試合ができるなら、優勝してほしいと願う人も多いはず。勝つためのサッカーを選んだブラジルは敗退。そのブラジルに勝ったオランダも勝つためのサッカーに徹している。スペインの調子はいまいち。そんな中で、ドイツは一際目立つ存在。これまでドイツは、技巧的で堅実で戦略に長けているという印象が強かったが、今回はそれらに芸術的という表現も使えるだろう。守備4選手の前の選手は自由に動いた。球を得れば全員攻撃、失えば全員守備。3点目を演出したのは、守備陣の前で試合の流れを制御して、Messi 選手を抑えた Schweinsteiger 選手で、得点者は守備の Friedrich 選手だったし、ストライカーの Klose 選手や攻撃の要の Podolski 選手も守備に積極的に貢献した。個々としては、例えば Messi 選手に劣ったとしても、チーム11人でのドイツの力はアルゼンチンを完全に凌駕していた。ボールの位置とアルゼンチン選手の場所によって、5−4−1 になったり 4−4−2 だったり、とにかく臨機応変に対応。チームのために自分にできることは何か、常に考えていたように見えた。
スペイン 1:0 パラグアイ
スペインが辛勝。パラグアイは前半にゴールを決めたが、オフ・サイド判定で無効。後半にはまずパラグアイに PK が与えられたが、キーパー Casillas 選手が捕球。数十秒後には逆にスペインに PK。Xabi Alonso 選手が決めたが、スペインの選手が蹴る前に前進したため、無効。取り直しとなったが、2回目はキーパー Villar 選手が弾いたため、0:0。82分、まるで一人でスペインを支えているような David Villa 選手がゴール・ポストを直撃して跳ね返ってきた球をシュートし、ゴール。Fernando Torres 選手の調子はまだよくなく、スペインらしいパス回しもあまり決まらなかった。さて、ドイツ戦ではスペインらしい動きが出るだろうか。