数日遅れだが、7日目の3試合について、短く感想を書いてみる。
オーストラリア2:3オランダ
スペインをまさに粉砕したオランダ。あのようなサッカーは毎回できるわけではない。オーストラリアは前のチリとの対戦で、前半の前半でゴールを奪われてしまったが、その後は持ち直して、良い試合振りだった。
オランダが20分に先制したが、オーストラリアが21分に即同点とした。ともに素晴らしいゴールだった。オランダの先制点は中盤から Robben 選手の独擅場で、まさに個人技で決めた。しかしオーストラリアは直後に反撃して、中盤からの長いパスに Cahill 選手が合わせて鮮やかなボレーでゴールを決めた。前半オーストラリアは常に前に進み、試合の主導権を握っていた。どちらがオランダでどちらがオーストラリアかわからないほど。
後半はオーストラリアの2点目で始まった。これはまた議論になりそうな審判の判断でPK。オーストラリアが2:1とリードするという、予想外の展開だったが、4分後の58分にオランダは Van Persie 選手のゴールで同点とする。そして決勝点となったのは、遠くから放たれた Depay 選手のゴール。オランダが底力を見せた試合となった。
オーストラリアがもし他のグループであったならば、16強入りという可能性もあっただろうが、チリとオランダ、スペイン戦を残して、2戦2敗で敗退が決定した。しかし誇りにできる試合内容で敗れ去ったチーム。
スペイン0:2チリ
オランダに大敗を喫したスペイン。オランダが勝ったため、チリに負ければ、スペインはグループ・ステージでの敗退が決まる。一方チリは初戦でオーストラリアに勝利して、幸先良しといったところ。
先制したのはチリだった。スペイン陣内で球を奪い、短いパスで繋げ、パスを回し、まさにチームワークで得点機を作りだし、しっかりと Vargas 選手が決めた。2点目もチリ。FKからスペインGK Casillas 選手の弾いた球を押し込んでゴール。スペインには、覇気も緻密なプレーもなく、ボールを奪われたり、パスがミスあるいはチリの選手に読まれてしまい繋がらなかった。チリが2:0とリードする場面で前半が終了した。
グループ・ステージ突破を現実的にするには勝つことが求められるスペイン。後半はどれだけ攻めるか期待していたのだが、後半開始数分は勢いがあったものの、その後も、試合をひっくり返すような展開ではなかった。ストライカーの Diego Costa 選手には決めるべきであった得点機を逃し、後は数回遠くからのシュートがあったが、得点に至らなかった。
スペインは不運で負けたのではない。チリの組織力と運動量と素早さに負けた。盛者必衰、これはスペインの黄金時代の終焉を意味するだろうか。そうかもしれない。それでも、スペインのサッカーは美しく観ていて楽しい。新しくストライカーを起用したフォーメーションに、選手全員が馴染んでいたようには見えなかった。これからスペインのサッカーの新しい歴史が始まるだろう。2016年欧州選手権には出場するだろうし、どのようなサッカーになるのか、既に楽しみにしている。
カメルーン0:4クロアチア
開幕戦でブラジル相手に奮戦し、PK判定に泣いたクロアチア、そしてどうもちぐはぐな感じがしてならないカメルーン。
前半はクロアチアがゲームの主導権は早々から握る展開。11分に Olić 選手のゴールでリード。カメルーンは時として良い動きがあったし、クロアチアの中盤選手に十分な空間を与えないという点では機能していたが、試合の流れはほぼ一貫してクロアチアのペースだった。カメルーンにはチーム内のいざこざがある模様。果たしてそれが理由だろうか、前半終了に Song 選手が退場処分に。クロアチア選手の背中を肘で殴るという暴挙。10人体制になったカメルーンに対し、クロアチアは後半に3点を加えて、勝利。もし前大会に内紛で敗れ去ったチームがフランスだとすれば、今回自滅した代表はカメルーンだろう。それもピッチ上で味方同士が頭突くという非常に恥ずかしい行為があった。