9日目の3試合について、短く感想を書いてみる。
イタリア0:1コスタ・リカ
コスタ・リカの快進撃。イタリア、ウルグアイ、イングランド、3強豪国と同組になって、16強進出は非常に難しいだろうと言われていたのに、蓋を開けてみると、ウルグアイに続いてイタリアも破り、今大会で旋風を起こすかもしれない。イタリアにも好機はあった。起点となったのは、やはり Pirlo 選手で、コスタ・リカの守備陣を超えるパスを送って、ストライカーの Balotelli 選手に数回得点機が訪れたが、ゴールを決めることはできなかった。一方コスタ・リカは前半終了が近づいてきた時点で、PKを得るべきだったが、審判はプレーを続行。その直後、左からのパスに Ruiz 選手が頭で合わせてゴールを決めた。後半、イタリアは再三攻めようとするが、何回もオフサイドとなるなど、拙攻が目立った。コスタ・リカは16強進出。イタリアとウルグアイはグループ最終戦で16強進出をかけて対決する。
スイス2:5フランス
これまで2試合終わって、非常に優秀なチームという印象を受けたのは、チリとフランス。この時点で、他に2戦2勝のチームにオランダ、コロンビア、そしてコスタ・リカがあるが、試合内容からすると、チリとフランスは今のところ群を抜くチームだと思う。他の強豪国と言えば、スペインは2戦2敗で敗退、オランダも第2戦は勝ったもののオーストラリアに押され、ブラジルも初戦のクロアチアには例のPK判定で勝ったが、第2戦メキシコとの対戦で手こずり、アルゼンチンも本調子でない。
スイスは組織的で堅守のはずが、脆くも5点を奪われてしまった。この5対2はフランスの完勝である。スイスの2点はフランスの5得点のあとにあったからだ。3対2の時点でスイスが同点を求め、攻めたのに、カウンターで点を奪われたという展開とは違うから。フランスはまずCKから1点。試合再開直後にボールを奪い2点目。この後にPKがあったが、スイスGKが阻んだ。前半終了間際にカウンターから3点目。4点目はペナルティー・エリア内にいた Benzema 選手が決めた。5点目はペナルティー・エリア外を横にパスを繋げて Sissoko 選手が決めた。スイスは2点を返したが、もう勝負はついていた。
フランスの強さはチームの強さ。確かに Benzema 選手の存在は大きいが、チームの一選手への依存度という視点からは、例えばポルトガルの Ronaldo 選手やアルゼンチンの Messi 選手への依存度に比べると低い。そして、自己中心的ではない。例えば4:0の時点でフランス5点目となったゴールは Benzema 選手がよりゴールを決めやすい位置にいた Sissoko 選手にパスを送ったから決まった。この時点であったならば、例えば Benzema 選手がシュートを放ったとしても、文句は言われなかっただろう。フランスは5得点で得点者も5名。前回は内紛自滅したフランスとは正反対。
ホンジュラス1:2エクアドル
観ていたハラハラする試合だった。誰か怪我をしないかと。ともに守備には問題があるし、積極性に富むが、どちらかと言うと力押しの感じの強い2チーム。ホンジュラスが先制したが、エクアドルが逆転勝ち。