パリでテロ事件があり、ブリュッセルでは警戒レベルが最高に引き上げられていて、ヨーロッパの多くの国々で非常に緊迫した日が続いている。最近友人とロンドンの街中で会った時も、パリでのテロが必然話題となった。「パリで起こったことはロンドンでも起こり得る」という不安は、多くのロンドン市民が感じていることだろう。2005年7月7日に地下鉄やバスが爆破されるテロ事件もあったし、それ以前にもIRAによるテロがあったので、パリで起きたことはロンドンに住む人々にとって他人事ではない。それでも今のところ、ロンドン市内で目立った緊張はない。
英国ではテロに関する警戒レベルを5段階に分け、国内の治安維持やテロ対策を司るMI5がウェブサイトで公表している。現在最高レベルの一段階下の severe で、テロ行為が highly likely と分析されている。この highly likely をどのように訳すのが適切なのか、ちょっと考え込んでしまったが、あえて訳せば「テロ行為が起こる確率がかなり高い」とでもなるだろうか。2014年8月29日以来ずっと severe で、2006年8月1日に初めて公表されて以来、最高レベルの critical になったのは、2006年8月10日から13日まで、そして2007年6月30日から7月4日までの2回。
なお、英国では「国際テロ警戒レベル」と「北アイルランド関連テロ警戒レベル」を別々にしている。国際テロ警戒レベルは英国全土に適用されるが、北アイルランド関連テロ警戒レベルの場合は、北アイルランドとブリテン島を分けている。現在北アイルランドにおける警戒レベルは severe だが、ブリテン島における警戒レベルは moderate だ。
今後この国際テロ警戒レベルが上がらなければ良いのだが。