英国の女王エリザベス2世の夫エディンバラ公が今朝ウィンザー城で亡くなった。99歳。若くはないし、最近退院したばかりだったので体調は不安視されていた。それでもこのニュースに驚いた。公務から引退して数年経ているが、エディンバラ公は70年以上に亘って常に女王を支えることに徹した。成典憲法のない英国にて、首相・内閣の行政権は理論上国王大権を行使することによって成り立っている面が強い。実質の政治的権力はなくても、多くの権力の源であり理論上の保有者であるがゆえ、英国の君主は政治に介入しないし政治的と捉えられる発言は控える。当たり前のことになっているが、これは女王をはじめとした王室が常に注意を払ってきた。政治とは直接関係ない事柄について、エディンバラ公は歯に衣着せぬ発言をして物議を醸すことも多かったが、立憲君主制の民主主義国家における君主の配偶者としての役目を、1952年の女王即位以来きっちりと果たしたと思う。