先日、忙中の閑、あまりにも髪が長くなったので床屋へ行った。散髪料を払ったときに、何週間かぶりに現金を使った。ほぼ毎日スーパーで買い物をするのだが、どんなに微額でもデビット・カードで決済している。たまに街に行って、スターバックスでコーヒーを飲んだり、マクドナルドでハンバーガーを頬張る時も、同様にカードで支払う。非接触決済カードで、端末にかざすだけなので、非常に便利。またロンドンの公共交通機関でも、非接触決済機能が付いていれば、デビットやクレジット・カードが使えるので、紙の切符を買ったり公共交通機関用ICカードであるオイスター・カードを使うこともなくなった。
デビット・カードとクレジット・カード。両方とも非接触決済カード。
カードばかり利用しているのは、別に「キャッシュレス主義者だから」というわけではなく、現金が面倒臭いから。紙幣はカードと一緒に財布に入れているので、ほとんど忘れることもないが、小銭はテーブルの上に置いたまま出かけてしまうことも。そのため、小銭を忘れて出かけて、買い物はお札で支払い、お釣りで多くの小銭をもらい、帰宅してテーブルの上の小銭の山を高くするだけ。
また、家計簿をつけるのは面倒、でも支出は把握したいのも理由。銀行口座の明細書を見れば、どれだけの金額を何に使ったのか、大雑把だが分かる。スーパーでの買い物は、食料品や日用品。税金の一部や光熱費や電話・インターネット料金などは自動的に口座から引き落とされる。経費になるような出費は、大抵インターネットで注文するので、領収書が添付されたメールを経費関連のフォルダーに保管している。現金だとレシートを保管して、記録しないといけない。私のようなズボラな人間には無理な話。
あと、あまり現金を持ち歩きたくないということもある。別に紛失するとも盗まれるとも思わないが、悲しいかな、貧乏性で、慣れていないため、なぜかお札が財布に入っていると、理由もなく緊張する。
£20・£10・£5のイングランド銀行券と硬貨。新£5札は最近流通しはじめた。
どこかで聞き齧ったので、俗説かもしれないが、カードだとお金を使っている実感が湧かないらしい。そのため、使い過ぎやすい。現金だけだったら、手元にあるだけ使えて、足りなかったら物は買えない。でもカードだと、口座の残額なり融資枠の限度まで、お金を使える。財布から現金を取り出して渡すと、実際にお金を触ることになり、商品に対して価値のある物(お金)を交換する行為だと自覚する。これはお金がいかにも価値があるように作られているから。多くの場合、硬貨は金銀銅に似せて鋳造されているし、紙幣もどことなく厳かなところがある。一方カードは無機質なプラスチック。この現金とカードの差は、実際に店舗に行って買い物をするのと、インターネットで物を購買する差と通ずるところがあるかもしれない。
さて、最近の出費はどれくらいだっただろう。あとで、スマートフォンの銀行アプリケーションで調べてみよう。支出を気にするより、収入を増やすことが先決だろうか。