夏時間と時差

ヨーロッパでは10月の最終日曜日(2018年10月28日)に夏時間が終了した。英国の場合、英国夏時間からグリニッジ標準時に戻ったことになる。英国と日本の時差は英国夏時間で8時間、グリニッジ標準時で9時間。

夏時間と標準時間の差は僅かに1時間だが、移行するとちょっとした時差ボケになるし、経済的効果もあまりなく、世論調査によれば多くのヨーロッパの人々が夏時間制度に反対しているため、欧州委員会も廃止を提案していて、加盟28(英国離脱後は27)カ国と欧州議会が合意すれば、年に2度時計の短針を動かすこともなくなる。もっとも最近はデジタル時計ばかりなのでその必要もないが。ちなみにヨーロッパのほとんどの国では圧倒的に廃止論が強かったが、ギリシャ・キプロス・マルタでは夏時間を肯定的に捉えている人も多かった。

北米にも夏時間があるが、同じ北半球なのにヨーロッパと移行日が違う。今年の場合、ヨーロッパの夏時間の期間は3月25日〜10月28日で北米は3月11日〜11月4日。この春と秋の3週間、一時的に欧州と北米の時差が一時間短くなる。実は今週、数日間カリフォルニア州へ行くのだが、通常は8時間の時差があるところ7時間になっている。大差はないかもしれないが⋯⋯。飛行機の時刻表もこの時期だけややこしくなる。

面倒なのは飛行機の時刻表だけではない。納期やビデオ会議の時間を決めるのも一苦労。欧州・北米だけではなく豪州も含めると更に混乱する。ビデオ会議の場合、絶対に誰かにとって深夜になるので、時間を決めるのに長引くこともある。非常にややこしいのはオーストラリアで、州によって夏時間を用いていない。例えばブリスベンがあるクイーンズランド州では夏時間を用いないので通年オーストラリア東部標準時間だが、シドニーのあるニュー・サウス・ウェールズ州は10月第一日曜日から4月第一日曜日までオーストラリア東部夏時間になる。そしてニュージーランドも加えるとなると⋯⋯。

少なくともヨーロッパにおいては特にメリットがあるわけでもないので、個人的には夏時間を廃止した方が良いと思っている。