私は頑迷固陋な人間だと自ら認める。柔軟になりたいが、性格的に無理があり、これから老いて頭が更に古く固くなって鈍ましくなると思うと悍ましい。
本とは「紙に印刷された物」で、電子書籍は邪道だと決めつけていた節がある。悪いことに頑迷固陋であるとももに吝嗇だ。セールに弱い。毎日のように Google ブックスと Amazon の Kindle の電子書籍が99ペンスで売られている。結局歴史など興味があった本を数冊買った。しかし読むとなると手に取りたいので長い間放置することに。電子書籍は読みづらいうえ目が疲れるとずっと決めつけていた。
新型コロナウイルス感染症対策の外出制限期間が続いている英国。紙の本を何冊も読んだが、買った電子書籍も読みたくなった。専用の端末を持っていないので、電子書籍を読むとすれば、コンピューターのディスプレイかスマートフォンの画面を使うことに。コンピューターのディスプレイでは、ほぼ一日中ニュース記事を読んだり文書を作成しているので、電子書籍も抵抗なく読めるかと思ったのだが、違和感を覚えてしまった。自分でも上手く説明できないし全く理論的ではないのだが、どうしてもコンピューターのディスプレイで「本」を読むことができなかった。ウェブのニュース記事や必要な文書は読めるのだが、本となるとなぜだか集中できなかった。
コンピューターのディスプレイが無理ならスマートフォンはどうだろうか。最初は嫌だった。否定的な先入観もあったが、とにかく目が疲れた。挫折しそうだったが、本は読みたいし、電子書籍の購入額は大金ではなかったが無駄にしたくなかった。試行錯誤の末、スマートフォンの画面を夜間モードに切り替えて輝度を抑えて、アプリケーションで青色光をカットしたところ、非常に読みやすくなった。文字はちょっと小さいが、画面に表示される量が少ないので小気味好く先に進むことができる。
スマートフォンで本を読むことに抵抗はなくなったが、同じ本を紙か電子書籍から選ぶとしたら、やはり紙の本を選ぶ。