私が子供の頃と比べると、スポーツ選手の身体能力はかなり上がったと思う。見た目も変わった。ちょっと悪い言い方になるかもしれないが、昔はおじさん体型のスポーツ選手が結構いたが、今は鍛え抜いた体をしている選手がほとんど。また人気スポーツのプロ選手の年俸も桁違いに。どんな仕事でも健康体でいることは重要だが、スポーツは文字通り体が資本。色々なデータが収集・蓄積・分析されて、様々な場面で応用されるようになった。トレーニングや栄養管理もより科学的になった。そんな中、ちょっと前に話題となったのが「令和の米騒動」という事件。
プロ野球中日ドラゴンズの立浪和義監督が、2023年8月に試合前の食事から小さなおにぎりを除いて白米を禁止した。シーズン中に成績が落ちてきた細川成也選手に白米断ちを命じたところ、調子が戻ったため、他の選手も同じようになるのではないかと考えて、選手全員から白米を取り上げたらしい。選手は反発。抑えのライデル・マルティネス投手の猛抗議を受けて、投手陣には白米提供が再開されたが、野手は白米なしのまま。防御率0.39の「守護神」の言うことは聞かざるを得ないだろう。今シーズンの個人成績を見ると、中日の投手は不憫。先発の柳裕也投手は4勝11敗、高橋宏斗投手は7勝11敗だが、防御率はそれぞれ2.44と2.53。大きく負け越すような数字ではない。
スポーツから学ぶ系のビジネス書であれば、確たる根拠を説明することなく思いつきによる判断、情報が外部に漏洩するような状態、朝令暮改、投手と野手で待遇に差をつけるようなことは、良くない事例と指摘されるだろうか。私が驚いたのが、監督が鶴の一声で食事が変わったこと。最終的な判断は監督が下すかもしれないし、選手も大人で自主自立が尊重される今の時代、球団が一食一食事細かく決めることはないかもしれないが、球団の管理下にある試合前の食事については、管理栄養士が個々の選手に合わせて助言していると思い込んでいたから。