数週間前、コンピューターが作動しなくなった。組み立ててからもうすぐ9年。そろそろ寿命かもしれない。うんともすんとも言わず、リカバリー・モードでも起動せず。幸いデータのほとんどは、昔からの癖で外付けHDDに保管していたので、初期化してもその面では特に心配はなかった。OSはずっと openSUSE を使って慣れ親しんでいるので、変化を好まない偏屈者な私は、今回他のディストリビューションに移行するつもりはなかった。数年前だったか、継続的に更新される openSUSE Tumbleweed に切り替えたのだが、そこまでコンピューターに詳しいわけでもなく、デベロッパーでもないので、この機会に安定版の openSUSE Leap に戻そうと思った。基本的なことにしかパソコンを使わない身からすると Tumbleweed と Leap にそれほど大きな差はなかった。
問題はどのようにしてUSBインストール・メディアを作成するか。インストール・イメージをダウンロードして、イメージ・ライターのアプリケーションを使って起動可能なUSBメモリーを準備する。通常はこの過程にてコンピューターが必要になるが、世界を彷徨い街をほっつき回ってカフェに入って仕事をする「デジタル・ノマド」でもないので、家にあるノート型パソコンはもはや博物館で展示されてもおかしくないような旧型。スマートフォンだけでできるかが課題だった。
調べるのに時間がかかって、少々焦ったが、結局 Android の EtchDroid というアプリケーションを見つけて、インストール・メディアを作成することができた。インストール・イメージにはオフラインとネットワークがあって、オフラインはファイルが大きいがインストール時にインターネット接続が不要、ネットワークはファイルが小さい分インストール時にインターネットが必要。容量の関係でネットワーク・イメージを選んで EtchDroid でスマートフォンに接続したUSBメモリーへ書き込んだ。
問題なくインストールできて、使っていたソフトウェアをダウンロードして以前と似た環境を整えた。何年も使っていると、結構使っていないソフトウェアが増えたもの。文書作成などは以前より少し速くなったような気がする。しかし9年前でも高性能ではなかったので、動画編集はもちろんのこと、写真の編集さえままならなくなってきたので、近々新しく作るか真剣に検討しなければ。面倒くさがり屋で、壊れるまでとは言わなくても使い物にならなくなるまで使うが、さすがにこのままだと無理がありそうだ。