数週間前だったか、不注意で右足の小指を本棚にぶつけた。激痛が走って、思わず「ううっ」とその場にうずくまった。何も持っていなかったのが幸いだった。手に熱い紅茶の入ったマグカップなど持っていたら、大惨事になっていた。次第に痛みは引き、大したことはなかったが、数日間腫れていた。数年前ならそこまで長引くこともなかったのに。

昨夏以来、疲労感が抜けず、色々と検査をしているのだが、確たる原因は未だ不明で、ちょっとした環境の変化に弱くなったような気がする。先週は今年2回目の偏頭痛になった。寒さが続いていたのだが、急に暖かくなった日。曇天で低気圧が通り、この時期のロンドンにしては生暖かい風が吹いていた。今週は晴れの日が多く、冬の終わりの柔らかい日差しの中、水仙が開花しはじめ、鳥の囀りが一段と力強く朗らかになってきたが、気温が低くなった。晴天と真逆のどんよりとした調子の悪い日が続いている。このサイトの更新も写真は載せたが、記事の更新はこれだけ。書き始め書き損じもう少しで書き終える記事原稿は数本あるが、来週までいくつまとめられるか⋯⋯。小さな気温差や気圧差に敏感になって、雨にも負け、風にも負け、雪にも夏の暑さにも負ける、ひ弱な体になってしまった。
物は言いよう⋯⋯もし美的感覚が研ぎ澄まされて、小さなことにも気づくようになれば、繊細になった、良いことだと褒められようが、本棚にぶつけた足の小指の腫れが長引くのも、環境のわずかな変化ですぐに不調になるのも、弱体化で単なる「老化」だ。時間の流れには抗えないし、どうすれば疲労感が払拭できるか、全く分からないが、もう少し日が長くなったら、無理をしない範囲でもっと活発に行動しなければ。丈夫な体も欲しいが、清らかで強い心も欲しいと欲張ってしまう。