英語ノート

ドーナツ

日本で道行く人々に「ドーナツとは何か」と訊いたら、もちろん怪しげな者だと思われてしまうだろうが、答えは「生地を油で揚げた輪状のお菓子」かそれに似たようなものになるはず。ドーナツの形は「輪」というのが、一般的な認識だと思う。

米国英語(米語)であれば、確かにその通り。オンライン版 Merriam-Webster Dictionary における doughnut / donut の定義は a piece of sweet fried dough that is often shaped like a ring (www.merriam-webster.com/dictionary/doughnut) で、「多くの場合輪状」であることが明記されている。昨年の秋に米国を旅行した時、店頭に見えたドーナツはほぼ全て環状だったような気がする。もっとも、それほど注意深く観察していたわけではないし、ドーナツ・チェーンのウェブサイトを見るといろいろな形のドーナツが売られているらしい。

一方、英国英語(英語)だと、オンライン版 Oxford Dictionaries の doughnut の項目に A small fried cake of sweetened dough, typically in the shape of a ball or ring (www.oxforddictionaries.com/definition/english/doughnut) とある通り、「一般的に球状か輪状」で上記 Merriam-Webster と差がある。

英国のスーパーで買ったドーナツ。

 

英国のスーパーやパン屋や菓子屋では、よく両方の形のドーナツが販売されている。輪状の他に、真ん丸なボールというよりも、扁球の形をしたドーナツ。この扁球状のドーナツは、揚げたあとに注入されたものによって名が決まり、例えばジャムであれば jam doughnut と呼ばれ、環状ドーナツは ring doughnut という名前が付いていて、それぞれ区別されている。

写真にあるのは、ジャム・ドーナツ。先日、近くのスーパーで見切り品として、4個で40ペンスになっていたので、ついつい買ってしまい、家に帰って紅茶を飲みながら、むしゃむしゃと次々に平らげてしまった。太るわけだ。

蛇足ながら⋯⋯米語では donut という綴りがよく使われる。英語でも通用するが、まだ doughnut という表記が主流。