言語の勉強と様々な視点から時事問題を捉えるため、色々な国を新聞を読むように心がけている。先日の英国総選挙の結果に関するフランス語の記事に Boris Johnson doit sortir du bois sur cette question fondamentale で始まる一文があった。気になった表現は sortir du bois で、直訳すれば「森から出る」だが、文脈から「態度を明らかにする」または「立場を明確にする」という意味だと理解した。つまり「ボリス・ジョンソンはこの根本的課題について立場を明確にしなければならない」というようなこと。
英語には be out of the woods という表現がある。「危機を脱する」または「難題を解決する」という意味だが、多くの場合、否定形の not out of the woods (yet) で用いられ、「予断を許さない」という意味合い。この英語の表現を借りてケベック州のフランス語で ne pas être sorti du bois という慣用句になっていて、英語からの借用には厳しいケベック州フランス語局 (Office québécois de la langue française) も正しいフランス語と認定している。フランスのフランス語で同義の表現は ne pas être sorti de l’auberge である。
これからフランス語で sortir du bois / ne pas être sorti du bois がどのような意味で使われるようになっていくだろうか。