合意あってもギリシャ危機続く?

明日2015年6月22日のユーロ圏首脳会議を控え、今日日曜日にいろいろと動きがあったようで、ギリシャ側が新たな合意案を提示した模様。少なくとも昨日よりは、合意の可能性は高まったのかもしれないし、ニュース・サイトなどでもやや合意の実現性について楽観的な論調も増えてきた。これから数年数十年後、歴史家がヨーロッパの歴史について語るとき、この数日をどのように説明するだろうか。合意があって、今後特に問題もなくギリシャでは改革が遂行され、債権者側も一部債権の放棄あるいはに応じるなど、長期的にギリシャの財政が改善された日として語られるか、あるいは合意なく、ギリシャ経済は更なる危機に陥り、結局ユーロ圏脱落はてはEU脱退という流れが決定づけられた日となるか、現時点では誰にもわからない。もちろん、後に振り返ってみれば、明白で当たり前に見えてしまうのが歴史。

もし合意があったとしても、月末の債務不履行は不可避という記事もあった。ギリシャがIMFに返済したり、公務員の給与を払ったり年金を支給するには、現在凍結されている約72億ユーロの支援融資が必要となる。しかし、ギリシャが融資を受けるためには、改革法案を可決しなければならないだろうし、融資をする側も国によっては議会の承認を得る必要があり、いくら急いでも現実的にこれらの過程が終わるまでには数週間かかる。そのため、合意があったとしても今月末の債務不履行は避けられず、公務員給与や年金を全額払うことはできない。ただし、この場合、混乱状態での債務不履行ではなく、欧州中央銀行も合意を前提としてELA(緊急流動支援)を継続するため、ギリシャの銀行も引き続き営業できるということらしい。

そしてユーロ圏における政治的合意があっても、ギリシャが約束した改革を実行しなければ、ただ現在の問題を数週間先に伸ばしただけという見方もある。つまり合意があったとしても、融資が実際に行われて、中長期的展望が改善するまで、ギリシャ危機は続くということ。