先月の2022年6月末から体調不良そしていろいろと忙しくなっていた。ようやく落ち着いて⋯⋯ニュースを見たら、英国の閣僚らが次々に辞任していて、ついにボリス・ジョンソン首相が与党の保守党の党首としての職を辞すことに追い込まれた。保守党の党首を辞任することは、首相の座から降りることでもある。これから保守党の国会議員と党員による党首選挙が行われ、新党首が選出された秋に首相として交代することに。ただ最大野党の労働党は来週に政府に対する不信任決議案を提出することを考えているらしいし、保守党内にもジョンソン氏の首相としての辞任を秋ではなく今に求める声が上がっている。保守党内からの突き上げでジョンソン氏が首相として辞任した場合、新党首が選ばれる間は閣僚か閣僚級の重鎮が暫定的に首相を務めることになる。まだまだ続きそうな英国政治の劇的な数日を追うことになるだろうと予測していたら、今朝安倍晋三元首相が銃撃されて死亡するという一報が。元首相で現職国会議員が選挙演説中に殺害されるのは、民主主義を否定するテロ行為だ。
歴史が動く時などという。出来事や事件。人々の印象に強く残り、後世の歴史書に書き残されるようなこと。英単語を用いれば event で、突発的・偶発的な事象、つまり多くの人が予想予見できなかったことをよく指す。政治やニュース、そして人間が人生を振り返ったりする場合、出来事を点として多く描いてそれらを繋ぐように線を引き面を作ることが多いのではないだろうか。歴史でも人間の意思や出来事を重要視する学者や作家もいれば、社会や構造などより長い期間に重きを置く人もいる。もちろんどちらか片方だけということはあまりない。様々な時間軸が絡み合っていて、相互作用がある。ここ数日のジョンソン氏辞任の一連の流れ、そして今日の安倍元首相の殺害は、政治的そして短期的時間軸で見れば大きな出来事・事件だが、中期的にどのような影響を政治や社会に及ぼし、将来歴史としてどのように記録されるだろうか。この時点ではまだ予想できない。これからどのような事が起きるかに依るから。