Ostseezeitung / Rostocker Zeitung
2018年12月11日 第1・7面
Trotz angebohrter Eier: Nandu-Zahl in MV verdoppelt
Hannes Stepputat
ドイツ北東部にあるメクレンブルク=フォアポンメルン州の地方紙 Ostseezeitung に掲載されていた記事。ちなみに Ostsee は直訳すると「東海」で「バルト海」を意味する。そして Zeitung は「新聞」なので「バルト海新聞」とでもなるだろうか。
レアという動物がある。南米の草原に生息する鳥で、ダチョウを一回り小さくしたもの。アメリカダチョウとも呼ばれる。英語では rhea だが、ドイツ語ではトゥピ語を語源とする Nandu だということを学んだ。知ったとしても使う機会はほとんどないような単語だが⋯⋯。ヨーロッパでは非常に珍しい存在。
そのレアがメクレンブルク=フォアポンメルン州で春から倍以上に増えて、566羽もいるという。禾穀類やセイヨウアブラナを生産する近隣農家が食害を蒙っている。被害を食い止めるために、農家の組合はオスのレアを銃で狩猟して頭数を制限することも考えるべきだと主張。以前、州当局は卵に穴を空けることによって孵らないようにして、頭数を制限することができたが、今年はどうやら違う模様。
ドイツ北東部のレアはヨーロッパで唯一野生化した群れ。1999年に隣接するシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の畜産家から数羽脱走したのが始まりだという。このレアの群れはシャールゼー生物圏保護区にいて、法的には規制の対象となる外来種と認定されていない。今でも流行っているかどうか知らないが、一時期、レアやダチョウやエミューの肉が高鉄分・低脂肪でもて囃されていたことを思い出した。
地元の農家にとっては厄介な存在だが、観光資源でもある。でも本当に在来種と生態系に影響がないのだろうか。