英国と日本でウィスキーとビールに課される酒税の比較

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最近日本に一時帰国していた時、驚いたことに挙げられるのが酒の値段。原産国である英国よりも日本のほうが、スコッチ・ウィスキーが安かった。確かにここ最近は円高・ポンド安。しかしそれだけでは説明できないような気がする。輸送費だってかかるだろうし⋯⋯。為替レートでなければ、税金だろうか。あまり税制度に詳しいわけではなく、インターネットで調べた限りだが、英国と日本で結構な差がある。

英国で蒸留酒にかかる酒税は、現在、純アルコール1リットルあたり£28.74。このところ為替市場で変動があるが、1ポンド145円とすれば約4167円。つまり標準的な40度・700ミリリットルのウィスキーのボトル1本だと、0.4×0.7×28.74で£8.05。同上レートで約1167円。そして内税表記の付加価値税(消費税)が20%。一方日本では輸入ウィスキーの関税が無税なので、課されるのは酒税と消費税だろうか。40度の蒸留酒だと、酒税は1キロリットルあたり40万円。そのため40度・700ミリリットルだと、0.0007×400000で280円。消費税は8%。ウィスキーに課される英国の酒税は日本の4倍以上、消費税率は2.5倍。

さてビールはどうだろう。1本500ミリリットルでアルコール度数5%という設定で比べてみよう。英国の酒税ではアルコール度が2.8〜7.5%のビールだと、1ヘクトリットル(100リットル)あたり£19.08掛ける度数が課される。つまり0.005×19.08×5で£0.477。1ポンド=145円で計算すれば約69円。日本の場合、ビールに課される酒税は1キロリットルあたり22万円なので、0.0005×220000で110円。ウィスキーとは逆で、日本の酒税は英国の約1.6倍となっている。ちなみに、麦芽比率25%未満の発泡酒だと500ミリリットルで67円ほどなので、英国のビールにかかる酒税と似たもの。

この酒税の差に基づいて、「ウィスキーを買うなら日本、ビールなら英国」とでも言いたいところだが、英国でパブに行って、一杯飲もうなら何ポンドもする。日本でスコッチ・ウィスキーを買って、家でちびちび飲むのが一番経済的かもしれない。

英国 - Alcohol Duty rates from 13 March 2017

www.gov.uk/government/publications/rates-and-allowance-excise-duty-alcohol-duty/alcohol-duty-rates-from-24-march-2014

日本 - 酒税法

【リンク切れ】 law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28HO006.html