2015年ラグビーW杯

準々決勝を前に

さて、ラグビーのワールド・カップの準々決勝の顔ぶれが揃った。これから数日間忙しくなり、残念ながら、ラグビーの準々決勝4試合をテレビで観ることはできそうにない。これまでの試合を通して、一番「凄い」と思えるのは、「死の組」でイングランドに大勝し、ウェールズに13人体制になっても動じなかった、オーストラリア。ニュージーランドの試合はあまり見ていないが、まだ本調子ではなさそう。日本に初戦で敗れた南アフリカは徐々に実力を発揮している。準々決勝は全て北半球対南半球(スコットランド対オーストラリア、ウェールズ対南アフリカ、フランス対ニュージーランド、そしてアイルランド対アルゼンチン)で、これまでの試合からすると、北半球全滅の可能性もある。もし試合結果に賭けるとするならば、準決勝に進出するのはオーストラリア、南アフリカ、ニュージーランド、そしてアイルランドだろうか。

スコットランドに負けたものの、南アフリカ・サモア・米国に勝った日本代表は、英国そして他国で賞賛を浴びた。サモアと対戦した試合は素晴らしかった。日本が南アフリカに勝ったことは、今大会一番の出来事として記憶と記録に残るだろうが、サモアをほぼ完全に封じた試合運びは、日本のラグビーの強さを物語っていたと思う。ただ、エディ・ジョーンズHCが去るというのは、かなりの痛手になるのではないだろうか。次の4年間更に日本のラグビーが発展すれば良いのだが、一抹の不安を感じてしまうのは、単に私が悲観的人間であるためだと願いたい。

開催国イングランドも準々決勝進出はならなかった。それも最後の試合の前に決まってしまった。やはり開催国、それもラグビー人口が大きく、かつて優勝したこともあり、これまでに8強進出を逃したことはなかったので、敗退が決まったときは大々的なニュースとなった。実力が伯仲しているので、ウェールズに負けても、オーストラリアに負けても、おかしいわけではなかったが、それでも衝撃が走った。イングランド敗退で、経済波及効果も期待以下となると言われているし、地上波で放映権を持つITVも広告収入が予想以下になるなど、影響はスポーツ以外にも出ると言われている。

これからどのようなドラマが生まれるだろうか。