2017年10月、数日間アイルランドの首都・ダブリンに行ってきた。ここ数年では2015年に続いて、2回目。2015年のときはロンドン・ガトウィック空港発着で、今回はロンドン・ヒースロー空港発着だった。海で隔たれているが、飛行時間は短い。直線距離でロンドン・ダブリン間は約460キロメートルなので、東京・盛岡間の距離とほぼ同じ。
連合王国・アイルランド共和国・マン島・チャンネル諸島は Common Travel Area と呼ばれる「共通旅行区域」に属している。加盟している国・地域の旅券を保有する者は、旅券を携帯せずに他の加盟国・地域に自由に行き来できるし、居住することもできる。特に連合王国の一部である北アイルランドとアイルランド共和国の陸上の国境は、ベルファスト和平合意(聖金曜日協定)以来、ほぼ無いに等しい。
しかし、ダブリン空港では、全入国者を対象に旅券ないし身分証明書を確認していた。前回も今回もそうだったので、ちょっと調べたところ、1997年以来そうなっているらしい。
ダブリン空港でのアイルランド共和国入国時に「10月28日にロンドンに戻る」と申告したところ、29日までの滞在許可が下りた。
一方、ダブリンからロンドンに戻ってきたときは、国内線扱いと言えばよいだろうか、入国審査なしで直ぐに手荷物受取場に通された。これはガトウィック空港でもヒースロー空港でも同じだった。飛行機でロンドンに戻ってきて、入国審査を受けないというのも、なんとなく変なような⋯⋯。
英国の欧州連合離脱で、大きな課題となっているのが、北アイルランドとアイルランド共和国の国境。英国が離脱すれば、EUと非EUの国境となり、人やモノの往来が自由でなくなることが懸念されている。そうなれば、北アイルランドの和平にも影響があるだろう。