食べ物日記

スプラット

スプラットはニシン科の小さな魚で、黒海、バルト海、そしてアイルランドとグレート・ブリテン島の間のアイリッシュ海に広く分布していて、英国のスーパーや魚屋でも売られている。ししゃもより小振りだが、脂が乗っているし、ときどき子持ちのスプラットもある。そしてなによりも良いことに安い。英国の場合は新鮮なスプラットが販売されているが、ドイツでは薫製となったのをよく見かけた。通常、単数ではなく、複数つまりは sprats と呼ばれている。ちなみに独語では Sprotten である。ドイツのバルト海沿岸のグライフスヴァルドという大学町に住んでいたとき、週に確か2回立った町の広場の市場で売られていたスプラットの薫製を数百グラム買って、そのままむしゃむしゃと頭から尾までおやつか夕飯のおかずとしてよく食べた。スプラットの薫製は、バルト海沿岸の広い地域で食されているため、近くのスーパーのポーランド食品棚に並んでいたのを見つけて、懐かしくも思い、買ってみた。