ヨーロッパ「絶対主義」あるいは「絶対王政」の時代にあっても、まだまだ「非絶対的」な面が多くあったのは、歴史家の多くが主張するところで、「絶対主義」という政治体制は存在しえず、存在しなかったという論もある。もし16〜18世紀のヨーロッパの国家体制が「絶対主義」とは呼べなかったら、何と呼べばよいだろうか。不完全な中央集権、特権や特例が多く、秩序があっても矛盾を多く抱えることから「バロック国家」という呼称も散見される。17世紀は16世紀の明暗明晰なルネサンスと18世紀の啓蒙主義に挟まれた、何かしら暗く醜いところがある。個人的にはそんな時期が好きで研究対象にした。さて、「バロック国家」は的を射て、なかなか良い名だと思う。
バロック国家
2009年3月11日