常勝軍団スペインにまだ陰りは見えない。結果は2:1だが、サッカーのレベルには雲泥の差があった。スペインのサッカーは、息を詰めながら観る。そして変な喩えだが、まるで印象派の絵を鑑賞しているようだ。ちなみにイタリアはシュプレマティスムで、ブラジルはポスト印象派、などと勝手に思っている。
この試合だけでは、現在のスペイン代表は欧州選手権時よりも良くなっているようにも見える。ストライカーに Saldado 選手が起用されて、攻撃に厚みが増した。ストライカーなしでも勝てるだろうが、やはり好機を得点とする鋭い勘のある選手が前にいたほうが有利のはず。特に前半の45分は、ほぼ完全にスペインがボールを支配していた。スペインの強いのはボールの支配率によるのだが、これはパスが巧いだけではなく、ボールを失ったらすぐに奪い返すところにある。ボールを奪われても、守備に戻るのではなく、近くの選手数名がすぐに奪回を試みる。成功すれば相手の陣営内で新たな攻撃の起点となるので、相手としてはやりにくいだろう。ボールを得たからとすぐに前には進めない。そしてボールを持った選手は、後ろに戻せば、スペインに守備体制を築く時間を与えてしまい、前へ急いで送ろうとすれば、ミスとなりやすい。
ウルグアイは Suárez 選手のFKで1点を返した以外、あまり得点の機会はなかった。ウルグアイが冴えなかったのか、それともスペインに完全に抑え込まれたのか、次の試合でわかるだろうか。