もう試合から数日、スペイン対イタリアの準決勝が行わている日に書いているので、遅きに失した感は否めないが、2013年コンフェデ杯における日本代表の最終戦となったメキシコとの試合、そして課題点について考えてみたい。2:1と得点差はないように見えるが、残念ながら差は大きかった。日本代表が来年のW杯でグループを突破するには、メキシコと同レベルのチームに勝つ必要があるだろう。
メキシコとの試合では、前のイタリア相手の試合にあった良いところがなく、悪いところだけあったとも言えようか。ボールを保ち続けることができず、パスは焦り過ぎか遅すぎで、どうもギクシャクとしていた。そして守備は相手選手の動きを読むことができず、オープン・プレーそしてセット・プレーから似たような状況で得点の機会を与えてしまい、ストライカーの仕事をきっちりと行う Hernández 選手が2回ゴールを決めた。PKが決まっていたならば3点だった。評価できるとすれば、オープン・プレーで1点を返したことだろうか。
守備は中央に問題があり、前では点を取り、ボールを持っていないときも相手を動きで翻弄するストライカーが不在なので、一人のFWを置くのではなく、そのポジションを守備に回すことが必要となるかもしれない。3試合で9回ゴールを決められてしまう、つまり1試合あたり3点取られるというのは、褒められることでも誇れることでもない。この9点の内、ブラジル戦で Neymar 選手が決めたゴールとイタリア戦でのPKを除いた7点は、守備の不備によることろがあった。
そのため、3−4−3で中央に守備選手を3人揃えて、左右両翼の選手をウィングバックとして活用するか、それとも4−3−3で、事実上4−1−2−3という体制で、守備選手の前に守備型MFを置くことを考えなければならないかもしれない。いずれにせよ、守備中央に2選手だけ配置したのでは、世界のトップレベルには通用しない、というか中央の守備を充分に固めることのできる選手が2名現在日本代表にはいないことが、この大会を通して露わになった。ウィングバック起用となると、体力を要するが、長友選手はすでにウィングバックのような活躍をしているし、内田選手も前に上がることができるので、どちらのフォーメーションでも適応できるのではないだろうか。課題は、中央守備の前の空間を守れる守備型MFか、あるいはゴール前の空間を詰める3名の優秀な守備選手を揃えることができるか。
この大会を通して、攻撃では本田選手と香川選手、中盤の遠藤選手、そして両サイドの内田選手と長友選手の動きや個々のプレーは良かったと思う。しかし、守備なくしては攻撃もできないし、対戦相手がゴールを決めれば試合に勝つこともできない。守備陣の構築が日本代表にとっては急務。