イングランド1:2フランス
南アフリカで開催されたワールド・カップでは冴えなかった2国の対戦。チームが再建途中にあるかどうか、興味深いところだった。
立ち上がりから、フランスが球を支配して、徐々に試合のテンポを掌握して、16分に Benzema 選手がゴールを決めた。フランスはミッドフィールドから相手陣営に常に進み、Nasri 選手、Malouda 選手そして Gourcuff 選手の3人が Benzema 選手と巧く連繋して、イングランド守備陣を翻弄した。前半終了間際にイングランドがちょっと押し気味となったが、悪い形のイングランドの攻撃が続いた。背の高い Carroll 選手めがけて長い縦パスを放ち続けた。ワールド・カップで Heskey 選手をトップに配置して、無闇に縦パスを放ったのと同じ展開。イングランドは後ろで左右翼どちらかに回して、そのあとは前に進むのみだった。一方フランスは横にも長いパスを回し、イングランド守備の弱さを探っていた。
後半もフランスのペースで55分に Sagna 選手のクロスに合わせて走り込んできた Valbuena 選手がゴールを決めた。フランスの両得点はオープン・プレーからだったので、ワールド・カップの悪夢は過去のものになりつつあるのかもしれない。2点得点したフランスは攻撃の手をやや緩めたが、イングランドが攻め込むという展開でもなかった。イングランドの攻撃には粗さが伴った。イングランドがようやく勢いづいたのは85分過ぎから。86分、CK から Crouch 選手のゴールで1点を返したが、反撃もそれまで。
現在のフランス代表は1998年ワールド・カップや2000年欧州選手権優勝時のような強いチームではないかもしれないが、手強い相手には違いない。イングランドは今後世代交代を含めて、課題が多そう。2012年欧州選手権に向けてより強いチームができるか、試行錯誤が続くだろう。