Google までが当局による検閲に協力するようになったので、ちょっとした実験を試みた。
Google、Yahoo!、MSN サーチの中国・香港・台湾・日本の各国サイトで「六四天安門事件」を今日(2006年2月2日)検索してみたところ、結果は以下のとおりだった。
中国 | 香港 | 台湾 | 日本 | |
---|---|---|---|---|
504 | 25400 | 24800 | 477 | |
Yahoo! | 0 | 14000 | 22200 | 443 |
MSN | 0 | 1711 | 1691 | 1754 |
Yahoo! 中国版の場合、検索させてもらえなかった。MSN サーチの結果は該当件数0。Google の504件の内容については調べていない。「民主主義」を中国版 Google でニュース検索するとヒット数はゼロ。同様にイメージ検索を行うと、なぜかアドルフ・ヒトラーの写真がでてきた。Yahoo!ではニュース・イメージ両方ともゼロ。
企業として利益優先は正しい判断だろうが、言論の自由という観点からはやはりなんとなく納得しかねるところがある。このように言論や表現が統制されている場合、許されている情報の信用度は低くなる。他に人権が軽んじられている国や地域に進出するのに当局に迎合したり、また自主検閲を行うようになったりしたら、会社の信用度も低下するだろう。結局インターネットも大市場を握る国家には勝てないということかもしれない。
2008年8月4日追加
オリンピック開会を控えたプレスセンターでのインターネット規制が浮き彫りとなり、批判を受けた中国当局が規制を緩和したそうだ。プレスセンターのインターネット接続のみ自由にして批判を躱すつもりだろうが、技術的に可能なのだろうか。また検索エンジンに変わりはあるのか、前回同様『六四天安门事件』を検索したところ、 Google 中国版で該当ヒット数308,000で MSN で10,100件となった。 Google ではページの最下部に「据当地法律法规和政策,部分搜索结果未予显示」とあり、一部の検索結果が表示されないことが記されている。一方 Yahoo や百度や搜狗ではエラーページが表示され検索結果は出なかった。 Google と MSN は単語単位での規制ではなく内容で制限している模様。一方 Yahoo! ・百度・搜狗ではキーワードでの検索自体を封じているようだ。
なお『法輪功』・『法轮功』でも同様に検索できなかったり (Yahoo!、百度、搜狗)、「邪教」などとセットになってのみ表示される(Google, MSN)。チベット独立の事を調べようと『西藏独立』を入力してもほぼ同じ結果だった。