スポーツで、よく「リベンジする」という表現が用いられる。もう浸透して相当経つが、それでもしっくりとこないのは、私だけだろうか。日本語の「リベンジする」と英語の動詞 revenge の乖離が、どうも気になる。
日本語で「リベンジする」は、スポーツの場合、一度は敗れた試合や競技で、再び勝負して勝つこと。そして、そのために払う努力のことや、勝利への強い意志を表している。自分を叱咤する意味合い、または再挑戦の決意や現役続行の宣言として、使われることが多い。英語でも、負けたチームが同じ相手に勝つ機会を、メディアなどが例として revenge match とも書くが、当事者の選手がそう簡単に用いるような言葉ではないような気がする。英語の revenge の場合、上記のように以前に負けた相手に勝つ「場所」あるいは「機会」を指す名詞であって、動詞だと被った被害あるいは苦痛を相手に返す、「復讐する」あるいは「報復する」という、非常に攻撃的な表現になる。
どうであれ、英語での会話の時に revenge という単語を使うときには、適切かどうか十分注意する必要がある。