ネルソン・マンデラ氏の訃報に接して、すぐに思ったのが、「20世紀がまた終わった」というもの。変な表現だろうが、マンデラ氏は20世紀という時代を代表する一人であったことは間違いなく、歴史は人物によって変わり、人物によって形成されると思っている。
マンデラ氏は、20世紀の悍ましく忌まわしい人種隔離政策という「負」と闘い、それを克服し南アフリカを多民族国家へと導いた人物だった。まだまだ根深い問題が南アフリカにまだあるし、マンデラ氏以降の大統領の指導力や政策には大きな疑問符が付いている。それでも、南アフリカに明るい将来あれば、それこそマンデラ氏の大きな遺産ではないだろうか。