スペイン国王フアン・カルロス1世退位

スペイン国王のフアン・カルロス1世が退位することを明らかにした。昨年はネーデルラントのベアトリクス女王、ベルギーのアルベール2世、そして教皇ベネディクトゥス16世が退位。それぞれに退位の理由や事情があったのだろうが、王あるいは教皇の職務を自信を持って全うすることができなくなったという面があるのではないだろうか。王にせよ教皇にせよ、生涯その地位に就くことが一般的なので、このように退位が続くというのは、あまり例のないこと。

フランコ政権から立憲君主制の民主主義国家に移行したスペインをよくまとめ、在位期間も長い国王だったフアン・カルロス1世から、王位を継ぐフェリペ王太子は大変だろう。フェリペ王太子は王室で一番国民の人気があるというが、それでもフアン・カルロス1世は2年前(2012年)の不況時に秘密裏にボツワナに象狩りに行って怪我を負って、また最近はクリスティーナ王女に脱税や資金洗浄の疑惑があり、王室への批判が出ている時期。例えば、統一左翼の代表 Cayo Lara 氏は、立憲君主制か共和制かの国民投票を行うべしと発言した模様だし、これから分離独立を求める機運のあるカタルーニャなどにどのような影響があるだろうか。

さて、このような例に倣って英国のエリザベス2世が退位するということは、今のところ考えられない。