毎年首相が替わるのはイタリアと日本という時代があった。現在の日本はまさにそうだが、イタリアでは結構安定している。2000年以来首相に就いたのは4名で、現在のベルルスコーニ首相が何とか信任を得た。下院では3票差だったので、これからも結構厳しい政権運営となりそう。端からみると、スキャンダルや失言放言が多く、メディアを牛耳り、独裁的で、ハラハラするが、イタリアの経済状態は他の欧州各国と比べて悪くなく、評価する人も多い。
ちょっと前のことだが、イタリア人の友人との会話でベルルスコーニ氏のことが話題となったとき、ベルルスコーニ氏支持と不支持がはっきりと分かれていた。そして支持する人によれば、ベルルスコーニ氏は自分で財産を築き上げた成功者、それでも普通の人の言葉を話し、イタリアを良くしてくれるだろうという期待があった。支持の裏側にはインテリ左翼抽象論に対する懐疑が根強くあった。不支持者はベルルスコーニ氏の強引な政治手腕や移民排斥などを憂いていて、イタリアの民主主義と法治国家制度が蝕まれ崩壊すると本当に危惧していた。しかし、ベルルスコーニ氏に対抗できる絶対的な候補者がおらず、左派にまとまりがなく、歯痒そうだった。
さて、日本の政治の方が良いのか、それともイタリアなのか、どちらだろうか。