新疆ウイグル自治区動乱

2009年7月7日

新疆ウイグル自治区・ウルムチで大規模暴動が起こり、ウイグル族の一部と中国当局が衝突し、死者は100人を超え、中国当局は1400人以上を拘束したと報道されている。一部漢民族による報復もあり、かなり緊迫した状況が続いている。イランの最近の例の後のためか、当局は素早く携帯電話網やインターネットを切断したらしい。

チベットと同様に、中国国内での漢民族植民政策で、漢民族が都市部で多くなり、より豊かな生活をしていることや、漢民族の文化・伝統・風習が優位に立ったり優遇されていることで、漢民族以外の人々には同化政策と映り、不満と不安が募っていた。

少数民族の燻り続く不満は、分離や独立運動となり、中国の政体を脅かすほどとなっている。人口は少ないが、少数民族の居住地区は広大で、資源もある。

もはや経済や社会政策において、「共産主義」国とは呼べないので、一党独裁制を維持するために、大漢民族主義を唱え、少数民族を敵視することにより、正当性を得ようとするかもしれない。そんな官製民族主義より経済発展や軍事力で自信がついた一般人の間で、大漢民族主義が広まる方が危険かもしれない。

中国政府が少数民族に対する政策を誤れば、政情はより不安定となるだろう。