歴史を研究していると、できるだけ研究対象に近づくために一次史料を読むことになる。場合によっては刊行物であることもあるが、近世史が専門となるとやはり公文書館で古い手書きの史料の解読に悪戦苦闘する。苦労はするが、書かれて以来数百年誰も読んでいない史料を実際に手にして読むのは、歴史を勉強する身にとっては醍醐味の一つ。
公文書館には、歴史家や学生の他に、家系を調べようとしている人などがいて、結構賑やか。これまで、論文のための情報を求め、何カ所もの公文書館を訪れたことがある。まだ行ったことはないが、今日ドイツ西部の大都市ケルン市の公文書館が倒壊して、まだ生き埋めになっている人がいるらしい。どうも地下鉄工事が原因らしく、隣接する建物も倒壊する危険があり、救助作業にも時間がかかるという。