欧州議会選挙の結果は、中道右派の勝利で、社会党・社会民主党などの中道左派が大幅に議席を減らしたと総括できる。しかし気になるのが極右政党が勢力を伸ばしたこと。
英国では BNP が2議席を獲得した(BNP については『英国政治 | 極右政党の擡頭』)し、ネーデルラントでは、過去に英国入国を拒否され、鮮明な反イスラム主義で知られる Geert Wilders 氏率いる PVV が得票率17%で4議席、ハンガリーでは Jobbik またルーマニア PRM など人種差別を標榜する政党が議席を確保した。
投票率が低かったため、必ずしもヨーロッパ各国で世論が右傾化したわけではないが、これから経済状況が悪化したりすると、更に移民問題など、摩擦が起こりそうだ。
欧州議会選挙ではないが、ドイツの地方選挙でも極右 NDP が勢力を維持あるいは拡大したのも、心配の種。
極右政党が地方や欧州議会で議席を握ることにより、一部の極端な政策が既成政党の中道右派政党によって取り込まれ、政治の傾向として右傾する可能性はありそうだ。