パキスタン | スリランカのクリケットチーム襲撃される

2009年3月3日

インドやパキスタンは人口が多いのに、スポーツはあまり盛んではない。それでも例外としてクリケットがある。インド亜大陸から遠く離れたベルギー・ブリュッセルの公園でも、週末に集まってはクリケットに興じている。サチン・テンドゥルカル選手のように、インドやパキスタンで有名なクリケット選手は国民的英雄で、クリケットのインド・パキスタン戦はサッカーや野球の日韓戦と比べられないほど重要視されていて、さながら核保有国の代理戦争のようだ。

今回スリランカのチームが襲われたことによって、最高水準の護衛を約束したパキスタン政府の面目丸潰れだ。スリランカチームが乗っていたバスの運転手が猛発進して難を逃れるという気転がなければ、もっとひどい事態となったかもしれない。政府の無力が露呈したかたちで、それをテロリストたちは意図したのだろう。実際パキスタン政府の力が及ばない地域がアフガニスタン国境付近にあるが、比較的豊かで自由なラホールでもこのようなことが起きるということは、さらにパキスタンが不安定な状況にあることを印象づける。