東北地方太平洋沖地震による甚大な被害の中、悪い意味で注目を浴びているのが東京電力。とにかく対応が遅過ぎ、そして悪過ぎた。これは福島原発、そして輪番停電に当てはまる。
まず原発についての情報開示に多くの問題があった。もちろん状況を完全に把握しきれないことは分かるが、近隣住人の避難命令を出す事態になったのに、説明不十分であったことは否めないだろう。予想外のことが起きて、分からないことは分からない、でもどのようなリスクがあって、なぜ半径2・3・10・20㎞圏とどんどん避難区域が広まったのか、分かりやすく住民に説明する必要があったはず。そして細切れに出てくる不完全な情報は、ただ不安を煽った形になったように見えた。
輪番停電もあまり説明がなく急に決まった面が目立った。病院など電気を必要とする施設や鉄道会社は時間があまりない中、対応を迫られた。どの地区でいつ停電が起きるのか、発表されてからも変更や修正があったのも混乱に拍車をかけた。そして、第1グループの停電開始時間が始まっても需要が下回ったため、一転、停電を行わないと発表。しかし、電力重要が伸びてたので、二転して計画停電を実施する可能性があると方針を修正。グループの地区内に住んでいる人にとって、ありがたいといえばありがたいだろうか。電気はないよりあった方が良い。しかし計画停電の時間帯、電気があるという前提で生活はできない。なぜならいつ需要が伸びて電気が切られるか分からないから。やはり停電を前提としないといけないだろう。
企業や行政の本当の危機管理そして情報をうまく伝える能力といのは、実際に災害や事件が起きないと分からない。東京電力の場合、ここ両日の対応を見ると、その能力が欠けていたという印象が強い。これからまだまだ長く、不安で辛い日々が続く。素早くこれらの能力を習得することが社会基盤を担う会社の使命のひとつではないだろうか。